「保存版」税務調査 なんであなたは調査対象になったのでしょうか?1
佐々木事務所には、毎年税務調査の対応依頼が舞い込みます。色々話を聞いているうちに、それはそうだ・・と思うケースもあれば、疑惑が複数溜まって調査に行ってみようと思ったんだろうなというケースもあります。佐々木事務所には、元国税OBも在籍しておりますので安心してご相談ください。今回はシリーズものでなんでご自身に税務調査が来てしまったのか?また調査が来ないようにするにはどうしたらいいかについて考えていただく機会にしていただければ幸いです。
- 税務調査対象者になぜ選ばれるか
なぜ、税務調査対象者になったのか、調査通知を受けた時は、そう思いますよね。
しかし、調査官に質問しても。なかなか、答えてくれません。
一般的には、資料情報、国税総合管理システムによる分析、前回調査からの期間、そして、調査して追徴税額が見込めるかなどを、総合勘案して、決定されるとのことです。
消費税の還付申告を行っている場合も、税務調査対象者に選ばれやすいようです。
イ 資料情報
国税局・税務署は、いろんな情報を収集しています。職員一人一人が、休日などの勤務時間外であっても、情報を収集しています。例えば、調査の帰りに、豪邸があったりするとどこの社長の自宅かを調べて調査先の候補にしたという元OBからの証言もあります。
組織的にも、法定調書のほか資料の提出依頼など、取引資料を収集して情報をつなぎ合わせて調査先の選定をします。
取引資料については、決済口座にも着目しています。
また、いわゆるタレコミもあります。
(イ)情報の収集
国税局や税務署の職員は、昼食や夜飲みに行った時には。客入り、回転数、客単価などを収集し、売上を推計したりして、申告状況と照合します。
店内で不自然な動きをしている者がいれば、税務署の人かもしれませんよ。スマホにメモしてるかも。不審に思われないようにやっているそうですが。
各種雑誌・新聞・インターネットにも目を光らせています。
インターネット取引をしていれば、決済方法にも、目が行ってしまいます。
調査に立ち会っていればわかりますが、現金取引や、決済口座(請求者と振込先の名義が違う)に着目しているようです。
(ロ)決済口座
その昔は、いわゆる仮名預金が横行し、脱税の温床になっていましたが、マネーロンダリング対策の進展に伴う金融機関窓口における本人確認の厳格化により、仮名による預金口座の開設はできなくなっておりますが、預金口座が譲渡の対象になっていることは、インターネットで検索してもわかります。
なお、預金口座の譲渡は、たとえ無償であっても、譲り渡す方も譲り受ける方も、犯罪に問われることになりますので、絶対、やめましょう。
ところで、確定申告で申告書に記載のない預金口座、他人名義の銀行口座(簿外取引に使用している預金口座)を国税局・税務署が把握した場合、ほぼ、確実に税務調査の対象になることは覚悟しておかなければなりません(簿外取引を推奨しているわけではありません。念のため。)。
なお、法人成しても、個人事業主当時に使用していた預金口座をそのまま使用し続ける方もおられますが、例え、公表取引口座であっても、調査対象として抽出されることになり、公表口座であることが確認されても、別の観点から税務調査対象者に選定されることがありますので、個人事業主当時の預金口座を、そのまま使用し続けることは、面倒でも、やめた方がよろしいかと思います。
継続的取引先には。振込口座の変更をお願いし、移行が済んだとおもっていても、個人事業主時代に取引があった方から、当時使用していた預金口座に振り込まれ、そのまま申告を忘れてしまうということもありますので、悪意がなくとも変な疑いがかけられると面倒なので可能な限り、解約されることをお勧めします。
(ハ)部外情報
国税局・税務署には、部外から、投書や電話等により情報(いわゆるタレコミ)が寄せられます。
タレコミがあったからといって、必ず、調査が行われるとは限りませんが、情報としては蓄積されます。
妬み、嫌がらせと思われるものは別として、信憑性の高いタレコミについては、直ぐに動く可能性が高くなります。
身内同然だったがそれが切れてしまった時は、傷がある人は覚悟しておく必要があるといえましょう。
縁が切れていなくても、正義感が強い人なんでしょうか、それとも、会社のためを思ってでしょうが、調査中に、「ここを見ろ」というような情報提供もあるそうですよ。
たとえ仮名での情報提供であったとしても、当事者でしか知りえない個別具体的な日付・数字・取引先などの情報を伴ったタレコミの場合、信憑性が高いとして調査先に選定されやすくなります。